2014年 01月 28日
新聞記事から(2014年1月28日/高知新聞) 木質バイオ勉強会 |
町をあげて自伐林業支援に動き始めた佐川町。土佐清水市でもやはり、もっと住民向けに勉強会を重ね、自伐林業と木質バイオマス利用がどの様な結び付きがあって地域活性のギアになるのかを考えて、具体性と民力を上げていく必要があると感じる。
永続的に山林を資源として手入れし利用していくには、他者に丸投げする請負型ではどうしても限界がある。自らの山を自らで手入れし利用していく自伐型の一番の特徴は、山に愛着を持って接し、大事に丁寧に利用する事ではないだろうか。大概、他人の山なら、自分の山よりやや雑に扱い、採算を考えて効率化を計るあまり、結果手入れが行き渡らなくなるというのが、人間の性ではなかろうか。
こういった観点からも、自伐林業を根付かせる重要性があるだろう。だから、所有者は他者依存で、請負者は効率重視なやり方でなく、多少手間がかかっても業としてしっかり手入れし、利用していけるような自伐型を成り立たせて行ければ、組織形態はあまり問わなくてよいだろう。
そして、有難い事に土佐清水は自伐林業を支えつつ、自伐林業が支えていける産業が幾つかある。それが、熱利用が盛んな温泉施設。基幹産業である観光宿泊施設だ。一般的に現状は再生可能エネルギー=木質バイオマス=発電 という式に留まっている様な気がする。それよりも、木質バイオマス利用は、熱利用のエネルギーとして有効であるという事を踏まえる必要がある。そこに、需要と供給のバランスが安定すれば、自伐林業に支えられつつ、それを支えていく温泉施設の構図が出来上がる。
もう一つは、節納屋。宗田節を作るために欠かせないボサ(薪)を、自伐林家が手入れするウバメガシの山が出来上がれば、土佐清水の伝統産業を支えられる構図が出来る。ここに土佐備長炭生産業が加われば、20、30年後には自伐林業と木質バイオマス利用のシステムは元より、高知の伝統産業を支えていく若者やIUターンの方々が増え、魅力ある業に成長するだろう。
佐川町の様に、官民一体となって、もっと広く住民に啓発し、産業に育てていける様な取り組みが必要だ。(浜口)
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[アンケート]
勉強会ではアンケートにお応えいただきまして、有難うございました!37名のご参加に対して、28名の回答をいただきました。
約6割の方がご自分または家族が山を所有されていまして、その内、7割強の方が山を手入れされていないそうです。...
そして、約6割の方が、自分で出来るなら、手入れしたいとの思いが聞かれました。それから、もう一つ。エネルギーが、時代とともに、薪から石炭→石油に変わっていった事を裏付けるものと考えられる内容です。現在、生活の中で薪を使う事の無い方が、7割でした。しかし、出来れば薪のある生活をしてみたいという方は6割。今後の事を考えると、地元でエネルギーを時給するのは考慮していくべき事だと思います。
薪のメリットは、化石燃料より安い事、自分次第で時給出来る事、仲間や地域ともに生産すれば、コミュニティにもなる事など、色々あります。何よりも、再生可能なエネルギーだという事。途絶えることなく循環させれば、なりわいにもなり、持続可能なシステムを作っていける事が、第一に考えられます。デメリットは、今に比べて手間がかかる、火事に注意しなければならない、生産にはリスクが伴う、煙と洗濯物の問題などが挙げられるでしょうが、善し悪し別にして、薪のある生活は田舎でないとしづらいという事があるかと思います。逆に言えば、田舎の強みとして活かしていくべきだと思いますが、賛否があるでしょう。是非ご批評いただきたいです。
最後に、もし出来るなら、山の仕事をしてみたいという方はちょうど半分の方でした。
基幹産業である観光業、漁業、農業に加え、林業も推進・支援していくのは、自然を謳うまち・土佐清水としては、然りだと思います。(浜口)
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中嶋理事長の「自伐林業/全国展開奮闘記」 なう!
NPO法人土佐の森・救援隊
■1月27日、高知県土佐清水市での「勉強会」です。 (FBより)
こちらもそれにこたえられるよう全力で対応しました。何とか土佐清水市役所や議員さんたちに、浜口君の「その思い」が届いてほしいものです。
ともかく、地域住民がこういう「思い」を持ち続け、訴えつつづけていくことが重要ですね。それが民力向上につながっていくと思います。
by kawauso100s
| 2014-01-28 20:45
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