2005年 12月 09日
放置林重加算税論 |
■西田政雄氏
現在、私は「放置林重加算税論」を、唱えています。森林環境税で、県民全てから徴収、というのも良いが、最も徴収すべきは、放置林所有者ではないか、と考えるからです。
◆放置林重加算税論
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[コメント]
■放置林重加算税に納得。
森林環境税の創設前のことですが、四万十川の文化人、小谷貞広氏の短歌に、こんなのがあります。
補助金をもらいて育てしニ十年の杉桧を伐り補助金をもらう
【先代が補助金をもらって植えたスギ、ヒノキを間伐と称して孫子が、また補助金をもらって伐り捨てている。売れば多少のお金にはなるのに、大きくなったスギ、ヒノキは切り捨てるだけでも、随分と日役がかかると、また、税金(森林環境税)を集めるらしい・・・たいそい話、ですなあ。(貞爺談・於蜩亭)】
補助金をもらって植えた森林を、全く手入れをしないで、放置する、(本当の林業者には、そのような人は、あまりいませんが・・・)、ということは、背信行為、背任行為です。そのような放置された山の手入れのために、森林環境税を使うのは、如何なものか?
そういう放置林所有者からは、ペナルティの罰金か、少なくとも、植林時の補助金を返還させるか、若しくは物納で、土地ごと放置林を、国・県・市町村に寄附させるのが筋。
公有林化した上で森林環境税、放置林重加算税を使って、公益的な機能を発揮できるような森林に整備保全するなら、納税者として納得。
◆提言:管理しない森林(ブログ:四万十通信)
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<声・ひろば「高知新聞」より>
■私の「放置林重加算税論」 (西田政雄氏)
1.補助金受け放置の植林に重加算税を(17.7.25掲載)
高知県は、日本初の森林環境税を取り入れた県ですが、にもかかわらず、間伐は未だ進まず、が現実です。これは、山林所有者の「意識の問題」が大きく作用している・・・[more]
2.放置林重加算税論を県民論議の糸口に(17.8.05掲載)
【要旨】
間伐を待っている山は多いのに、間伐が進まないひとつの要因に、税を原資とした補助金植林による、山主の間伐をしなければならないという意識の希薄がある。補助金で植林を行った、このような放置森林の所有者には、一定の責任を果たす義務がある。
放置森林の所有者に対して、課税することにより、「間伐は義務」という意識を呼び起こす。これが、私の「放置林重加算税論」である。私は、間伐を含む『森林問題』が本欄(声・ひろば「高知新聞」)を通して、多くの県民の目に触れ、今後の議論の糸口になれば、と考えています。
【西田政雄=49歳・NPO団体職員、高知市横内】
▽バックナンバー(四万十通信053/17.7.23)▽
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■「放置林重加算税論」への反論・3件(17.7.30掲載)(17.8.9掲載)
(1)問題の本質違えた放置林重加算税論
7月25日付本欄投稿の、補助金植林を行った放置林所有者に重加算税を課し、山主の間伐意識の呼び起こしを行うという意見には賛成できません。なぜ放置林が増えたのかというと、昭和30年代、国の政策によって・・・[more]
【黒岩靖夫=63歳、香美郡香我美町口西川】
(2)植林勧めた国に放置招いた責任
先日掲載された「放置林重加算税論」の投稿を読みましたが、筆者は表面に表れたものしか見ていないように思います。確かに補助を受けて植林していますが、それは戦後の木材不足を補うために国が山林所有者に勧めたことであり、植林すれば・・・[more]
【堀 三保=52歳・農林業、土佐清水市立石】
(3)放置林対策は国策で取り組め
8月5日付本欄(高知新聞・声ひろば)の『放置林重加算税論を県民論議の糸口に』の意見に対し、納得する気持ちにはなれません。植林は、国が大切だとして苗木から植え付けに至るまで補助金を出して推し進めた森林育成事業でした。山の論は50~100年の幅で語るものと承知している、と投稿者は述べていますが、その間にさまざまな問題が生じ・・・[more]
【河村正水=69歳・農業、高岡郡窪川町見付】
*******************************
[参考]
■森林行政
昭和23年11月16日、参議院議員小川友三氏の質問主意書に対し、同年11月30日に、時の内閣総理大臣吉田茂氏が答弁した事で、現在に至る森林行政の基礎が作られたのであろう・・・[more]
■森林問題と放置林重加算税論
『森林問題』は、高知県の森林環境税で立ち上げたHP「デジ森」でも取り上げられていますが、これについては、国民的に議論されるべき問題です。一部の林業者や行政官、森林ボランティアや環境活動家など、特定の関係者だけで議論すべき問題ではなくなっています。
『森林問題』に関連して、私の、この「放置林重加算税論」を、多くの方々の目に触れていただき、その是非を問うことこそが、私の真意です。
この論への、多くの反論は、過疎問題・当時の国策のミスリード・中山間地域の高齢化問題など様々な事柄をリンクさせ、それぞれの関係者の立場の正当性や行政批判を加えたものばかりです。しかし、是非はともかく、これほど県民の様々な議論がある中で、いまだに当局からの「ご意見」がないのは、なんとも寂しい限りです。
私の狙いは、こうした議論を通じ、『森林問題』を一般住民の意識に訴えかけるところにあり、その手段の一つが「放置林重加算税論」と位置づけています。(西田政雄氏)
■森林問題
バーチャルシンポジウム「京都議定書と森林問題」を開催中。主として、地球環境、CO2、との関わりでの『森林問題』ですが、関心のある方は、ご覧下さい。
◆バーチャルシンポジウム「京都議定書と森林問題」
現在、私は「放置林重加算税論」を、唱えています。森林環境税で、県民全てから徴収、というのも良いが、最も徴収すべきは、放置林所有者ではないか、と考えるからです。
◆放置林重加算税論
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[コメント]
■放置林重加算税に納得。
森林環境税の創設前のことですが、四万十川の文化人、小谷貞広氏の短歌に、こんなのがあります。
補助金をもらいて育てしニ十年の杉桧を伐り補助金をもらう
【先代が補助金をもらって植えたスギ、ヒノキを間伐と称して孫子が、また補助金をもらって伐り捨てている。売れば多少のお金にはなるのに、大きくなったスギ、ヒノキは切り捨てるだけでも、随分と日役がかかると、また、税金(森林環境税)を集めるらしい・・・たいそい話、ですなあ。(貞爺談・於蜩亭)】
補助金をもらって植えた森林を、全く手入れをしないで、放置する、(本当の林業者には、そのような人は、あまりいませんが・・・)、ということは、背信行為、背任行為です。そのような放置された山の手入れのために、森林環境税を使うのは、如何なものか?
そういう放置林所有者からは、ペナルティの罰金か、少なくとも、植林時の補助金を返還させるか、若しくは物納で、土地ごと放置林を、国・県・市町村に寄附させるのが筋。
公有林化した上で森林環境税、放置林重加算税を使って、公益的な機能を発揮できるような森林に整備保全するなら、納税者として納得。
◆提言:管理しない森林(ブログ:四万十通信)
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<声・ひろば「高知新聞」より>
■私の「放置林重加算税論」 (西田政雄氏)
1.補助金受け放置の植林に重加算税を(17.7.25掲載)
高知県は、日本初の森林環境税を取り入れた県ですが、にもかかわらず、間伐は未だ進まず、が現実です。これは、山林所有者の「意識の問題」が大きく作用している・・・[more]
2.放置林重加算税論を県民論議の糸口に(17.8.05掲載)
【要旨】
間伐を待っている山は多いのに、間伐が進まないひとつの要因に、税を原資とした補助金植林による、山主の間伐をしなければならないという意識の希薄がある。補助金で植林を行った、このような放置森林の所有者には、一定の責任を果たす義務がある。
放置森林の所有者に対して、課税することにより、「間伐は義務」という意識を呼び起こす。これが、私の「放置林重加算税論」である。私は、間伐を含む『森林問題』が本欄(声・ひろば「高知新聞」)を通して、多くの県民の目に触れ、今後の議論の糸口になれば、と考えています。
【西田政雄=49歳・NPO団体職員、高知市横内】
▽バックナンバー(四万十通信053/17.7.23)▽
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■「放置林重加算税論」への反論・3件(17.7.30掲載)(17.8.9掲載)
(1)問題の本質違えた放置林重加算税論
7月25日付本欄投稿の、補助金植林を行った放置林所有者に重加算税を課し、山主の間伐意識の呼び起こしを行うという意見には賛成できません。なぜ放置林が増えたのかというと、昭和30年代、国の政策によって・・・[more]
【黒岩靖夫=63歳、香美郡香我美町口西川】
(2)植林勧めた国に放置招いた責任
先日掲載された「放置林重加算税論」の投稿を読みましたが、筆者は表面に表れたものしか見ていないように思います。確かに補助を受けて植林していますが、それは戦後の木材不足を補うために国が山林所有者に勧めたことであり、植林すれば・・・[more]
【堀 三保=52歳・農林業、土佐清水市立石】
(3)放置林対策は国策で取り組め
8月5日付本欄(高知新聞・声ひろば)の『放置林重加算税論を県民論議の糸口に』の意見に対し、納得する気持ちにはなれません。植林は、国が大切だとして苗木から植え付けに至るまで補助金を出して推し進めた森林育成事業でした。山の論は50~100年の幅で語るものと承知している、と投稿者は述べていますが、その間にさまざまな問題が生じ・・・[more]
【河村正水=69歳・農業、高岡郡窪川町見付】
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[参考]
■森林行政
昭和23年11月16日、参議院議員小川友三氏の質問主意書に対し、同年11月30日に、時の内閣総理大臣吉田茂氏が答弁した事で、現在に至る森林行政の基礎が作られたのであろう・・・[more]
■森林問題と放置林重加算税論
『森林問題』は、高知県の森林環境税で立ち上げたHP「デジ森」でも取り上げられていますが、これについては、国民的に議論されるべき問題です。一部の林業者や行政官、森林ボランティアや環境活動家など、特定の関係者だけで議論すべき問題ではなくなっています。
『森林問題』に関連して、私の、この「放置林重加算税論」を、多くの方々の目に触れていただき、その是非を問うことこそが、私の真意です。
この論への、多くの反論は、過疎問題・当時の国策のミスリード・中山間地域の高齢化問題など様々な事柄をリンクさせ、それぞれの関係者の立場の正当性や行政批判を加えたものばかりです。しかし、是非はともかく、これほど県民の様々な議論がある中で、いまだに当局からの「ご意見」がないのは、なんとも寂しい限りです。
私の狙いは、こうした議論を通じ、『森林問題』を一般住民の意識に訴えかけるところにあり、その手段の一つが「放置林重加算税論」と位置づけています。(西田政雄氏)
■森林問題
バーチャルシンポジウム「京都議定書と森林問題」を開催中。主として、地球環境、CO2、との関わりでの『森林問題』ですが、関心のある方は、ご覧下さい。
◆バーチャルシンポジウム「京都議定書と森林問題」
by kawauso100s
| 2005-12-09 06:11
| 論壇