2007年 03月 21日
論壇:限界集落(大野晃氏) |
【写真】限界集落/椿山(高知県池川町・現仁淀川町)
<井上 強・写真集「自賛他賛」より>
■山村環境社会学序説・その10
調査を続けているなかで、既成概念と実態との間にズレがでてきているようなとき、その既成概念を実態に合わせて新しく概念化するのが私のやり方である。
私の論文を読むとお気づきと思うが、山村研究にもかかわらず「過疎」という用語がまったく使われていない。それは、過疎という概念と実態がずれているように思えるからである。より事態が深刻化しているにもかかわらず相変わらず過疎という言葉ですませていいのだろうか、という疑問をもっているから使えないのである。
事態がより深刻化しているその実態に合わせた概念化が必要になってきたとき、限界集落という用語が生まれたのである。社会調査におけるリアリズムの追求の中から限界集落という用語が生まれたと言ってもよい。(大野晃)
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四万十通信に、愛知県の杜本氏から、大野教授の公開講座(論壇)に関連しての投稿がありました。(編集局)
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[投稿]
■愛知県の限界集落にて・・・ (社本百合子/愛知県)
先頃、愛知県のある山里で、大野先生の「限界集落」に書いてあると同じような場面に遭遇しました。100歳のおばあちゃんと山でお会いしました。
「耳目不自由で、こじきばばー は、死んだほうが、いいんだ。おしっこ漏らさんけど、破れ畳しかひいてくれないよ。だけど、ひ孫可愛いよ! 年金、夏休みだから東京の早稲田から帰ってきたからあげるんだ。いくらあげようかな。」
こんなおばあちゃんの言葉、貴方はどう受け取りますか? 何故こんな日本になったのでしょうか? どうしたらいいのでしょうか?
車社会=道路工事=森林破壊=食べていくには都会のほうがよさそう、こんな風潮ですかね。
100歳のおばあちゃんは、可愛かったです。ひ孫の話しているときの 笑顔は本当に可愛くて、連れて帰りたかった・・・[more]
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by kawauso100s
| 2007-03-21 10:07
| 論壇