論壇:限界集落(大野晃氏) |
【写真】限界集落/椿山(高知県池川町・現仁淀川町)
<井上 強・写真集「自賛他賛」より>
■山村環境社会学序説・その5
第1章から第9章までの全体の編成を各章ごとにみれば、
第1章の「現代山村と地域資源」、第2章の「現代山村の高齢化と限界集落」、第3章の「現代山村と『山』の環境問題」の三つの章で取りあげている山村は、高知県下を代表するスギ・ヒノキの人工林型山村である。
第1章および第2章ではスギ・ヒノキの人工林型山村とクヌギ・ナラの雑木林型山村の山村二種類型論が論じられている。ここでは政府が奨励してきたスギ・ヒノキの人工林の山村がなぜ限界集落化してきたのか、その現状を詳細な集落の状態分析によって明らかにしている。
また、第3章では限界集落の集落再編の定是非を論じている。
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◆大野晃教授の地下足袋に・・・(2)
原 剛:「農から環境を考える」(集英社新書)より)
■踏みとどまるクヌギ林の村
山村にまったく希望がないわけではない。四万十川に沿う県西部の幡多郡十和村では、1960年代から30年間の人口、戸数の減少率が37.7%と大豊町の57.4%を大きく下回り、高齢化率も21%にとどまっている。
この差に注目した大野さんは地下足袋にリュックを背負い、黙々と山村を訪ね歩いて、その原因が森林の違いにあることを明らかにしていく・・・[more]
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